業務を円滑にする上司のコントロール術

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椿

中小企業のIT部門を支援しています。情報収集が得意です。正確な情報を収集することで、根拠のある意思決定や問題解決を促します。

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1、上司に報連相するとき

1、1、話を聞いてもらう方法

上司に話を聞いてもらうには、最初に話の目的を伝えることが大切だ。
この方法は特に男性に有効だ。男性的な考え方の特徴として、ゴールを定め、そのゴールに辿り着くために問題解決をしようとする傾向がある。話を振られると、無意識に状況を打破するための解決策を考えてしまうのだ。話のゴール(目的)が分からないと、出来事の経緯を説明している間に目についた問題点を「これの解決が目的か!」と早とちりして、解決策を語りだす。この行為に悪気はなく、部下の問題解決に協力しようとしてくれているだけなのだ。こちらがこの思考回路を理解し話し方を工夫するのが効率的だろう。

1、2、提案に上司からの賛同を得る方法

問題の解決策や企画など、上司からの承認や了解を得たいときは、案を2~3個提案しその中から選んでもらうと良い。
会社員は昇進するにつれ指揮監督する立場となり、実際に問題の解決策を講じる現場からは遠退いていく。しかし、現場で問題解決に関わりたいという欲求はまだ持っており、現場から遠ざかるほどもどかしさや不安を感じているのだ。多くの管理職が、こうした感覚に悩まされていると考えられている。
解決策を選んでもらうことで、上司に「問題解決に関わった」という満足感を与えると良いだろう。更に、複数の選択肢から1つを選ぶことで「自分の意思が反映された」と感じさせることができ、満足感が高まる。案が1つだと、自分の意思をより反映させようと、その案にダメ出しをして自分好みに修正しようとするだろう。

1、3、男性上司のダメ出しを上手く躱す方法

男性の上司に報告をすると、すぐにダメ出しをしてくることが多い。これは「あなたが「一緒に問題を解決してほしい」「改善点を教えてほしい」と言ってきた」と解釈しているからだ。男性は無意識にそのように考えてしまうことが多いため、ダメ出しされたときには、アドバイスをもらったと思って感謝すると良い。
アドバイスと言っても、実際には具体的な解決策は思い浮かばないことが多く、問題点の指摘に留まることが多い。だから、ダメな部分の解決策を聞いても「自分で考えろ!」などと言われてしまうだろう。そんな時は「仰る通りですね」と上司を持ち上げておこう。上司は優越感を感じるだろう。
また、男性は共感する感覚が薄いため、「ここまで頑張ったな」などと進捗を褒めてくれることは少ない。

2、上司を説得するとき

2、1、非現実的な提案の躱し方

上級職は非現実的なアイデアを思いつくことがある。通常の業務から離れているため、商品やサービスに関する内部事情に通じていない場合が多いからだ。このような時は、すぐに没にするのではなく、一旦賛同してリスク分析を行うことを提案しよう。

【会議での会話例】
取締役「ニュースで若者にカフェイン入りドリンクが人気だと知ったよ。わが社でも子供向けのカフェイン入り菓子を開発するのはどうだろう?」
部下「それはとても興味深いアイデアですね!ただ、それは当社の通常の製品ラインから大きく離脱するものになるので、抵抗する人もいるかもしれません。まずは社内の担当者とリスク分析ができたらと思います。」
取締役「うまくいきそうなら新規事業の候補にしたいと思っているから、よろしくね」

リスク分析を実施する口実は何でも良い。このように言っておけば、「リスク分析の結果」という最もらしい理由で提案されたアイデアがそれほど優れてはいないことを伝えることができる。高いリスクがあると分かれば、「事業の失敗を回避できた」と感謝されるかもしれない。また、実はそれほど悪いアイデアではなく、本当に革新的な新規事業になる可能性もある。

なかには、自分の提案が優れていなかったことを認められない管理職もいるだろう。そのようなものがいる現場では、無理やりプロジェクトが立ち上がり失敗した時に備えて、事前にリスクを報告したことを記録に残しておこう。

2、2、意向を思い留まらせる説得法

上司を思い留まらせるには「上司のために言っている」という姿勢で「やめた方が上司にとってメリットがある」と伝えるとよい。そのように言われると、「私たちのことを気遣ってくれているのだな」と感じられ、無理強いをしにくくなる。自分の立場からの意見よりも、相手の立場を考慮した意見を述べる方が、相手の意向を動かしやすい。

【飲み会の開催を思い留まらせる方法】
「〇〇さん(発起人)は高血圧が悪化したと仰っていたじゃないですか。お体が心配で…」
「年配者ほど流行りの感染症にかかるリスクが大きいと聞いて、役員の方たちが心配で…」

3、上司との付き合い方

3、1、パワハラ上司の琴線を知る

すぐに怒る人は支配欲が強く、自分の思い通りにならないことをきっかけに怒り出す。このような人は仕事では優秀なことが多く、結果を出してきたからこそ高い自信やプライドを持っている。だから、自分のやり方から少しでも外れた行動を取る部下にはイライラしてしまう。

自己愛の強さから、「優秀な自分が期待すれば周囲は自動的に応えてくれる」という期待を持っている人もいる。だから、指示したこと以上の行動を取らないと不満を感じることが多い。期待に応えていても、自分よりも学歴が高い、ITに詳しいなど、自分のコンプレックスを刺激するような部下には腹が立ってしまう。また、部下の成果が自分の実績につながっているときにだけ褒める傾向がある。

キレやすい上司とは接触回数を減らすことが適策だ。対面やリアルタイムでのやり取りを減らし、キレられる機会を減らそう。

3、2、頭ごなしな態度のやめさせ方

こちらの言い分を聞かず一方的に叱りつけてくる上司には、「仰ることがどうにもよくわからなくて。解説していただけないでしょうか」と食い下がるとよい。上司が言っていることを部下が理解できないというのは一大事だ。業務内容を理解していない可能性もあり、放っておけば組織の大きな損失になりかねない。だから、パワハラまがいな上司には言い分を解説してもらえばよい。適当に中身のないことを言っていただけの上司は、自分の言い分を解説できずしどろもどろになるだろう。

また、「傷つくから止めてほしい」といった感情を訴えるだけでは、頭ごなしな態度をやめさせることはできない。自分の気持ち・感情論を聞いてもらうためには、上司と親睦を深め、言いたいことを言い合える仲になる必要があるからだ。ただ、それは働くうえでは必要のないことではないだろうか。上司に「そんなに叱られたら凹みます~」「結構頑張ったのにひどいじゃないですか~」と面と向かって愚痴を言える間柄になる必要があるだろうか。自分の感情を理解してもらうことは置いておいて、叱りつけてくる態度をやめてもらうだけで良いのではないだろうか。

3、3、上司からの好感度をあげる方法

上司には、自分の業務の改善点を積極的に聞きに行こう。上司は部下の仕事を確認し、不備を指摘したり軌道修正したりしており、割と手間がかかっている。業務をどのように改善すれば上司の手間が省けるかを自分から聞きにいくことで、指導をする際に感じる精神的負担を取り除くことができる。更に上司の考えを理解しようとしていると感じてもらえるだろう。
ただし、「上司さんの仕事が減るように僕にできることはありますか?」といったように、言い方によっては「仕事を分けてほしい(奪いたい)」という意味合いに聞こえてしまう。そのため、「上司の仕事が楽になる」という表現を使うと良い。上司は部下の世話を面倒に感じていることが多いため、「それらの手間が軽減される」というニュアンスを強調するといいだろう。

3、4、上司を喜ばせる方法

上司がお客様と一緒に居るときに、礼儀正しい行動や気が利く部下を演出しよう。通常は、お客様の前では失礼のないように大人しくしていることが多いだろう。しかし敢えて、大げさなほど丁寧におもてなしをしたり、大きな声で挨拶する、お酌をするなどして、出来の良い部下を演出すると良い。すると、「上司は指導力に優れていて部下からの信頼も厚い」とお客様に感じさせることができる。多少出しゃばった方が上司の株を上げることができるのだ。

また、上司に気に入られたいときは服装や持ち物を真似ると効果的だ。これはミラーリングという心理効果の1つであり、自分と同じ仕草や行動をする人に好感を持つ作用がある。