Googleが考えた、部下が上司を採点するアンケート

運営者情報
椿

こちらはビジネス×ITの勉強ブログです。網羅的で確度の高い情報発信に努めています。ご連絡は[X]が迅速です。

椿をフォローする

1、マネージャーを評価する「従業員への13の質問」

01、上司は私のパフォーマンス向上に役立つ実用的なフィードバックを与えてくれます。
02、私の上司はマイクロマネジメントをしません。
03、私の上司は私を人間として配慮してくれます。
04、私のマネージャーの行動は、たとえそれがマネージャー自身の視点とは違っていたとしても、私がチームにもたらす視点をマネージャーが評価していることを示しています。
05、私のマネージャーは、チームが最優先の結果/成果物に集中できるようサポートしてくれます。
06、私のマネージャーは、そのマネージャーや上級リーダーからの関連情報を定期的に共有します。
07、私の上司は過去6か月間、キャリア開発について私と有意義な話し合いを行ってきました。
08、私のマネージャーはチームに明確な目標を伝えます。
09、私のマネージャーは、私を効果的に管理するために必要な技術的な専門知識を持っています。
10、私は自分のマネージャーを他のGoogle 社員に推薦したいと思います。
11、私はマネージャーとしてのマネージャーの全体的なパフォーマンスに満足しています。
12、あなたのマネージャーに継続して行うよう勧めることは何ですか?
13、マネージャーに何を変えてもらいたいですか?

2、制作の経緯

Google社はかつて、マネージャーは技術者の独創的な発想の障害となる「必要悪」だと見なされていた。そこで、「マネージャーは不要である」という仮説を立て、それを証明するために実験・調査を行った。その結果、仮説は否定され、マネージャーは組織にとって極めて重要な存在であることが分かった。

2002年、すべてのマネージャーを廃止して管理職のいない組織にするという「実験」を行いました。しかし、この実験は失敗に終わりました。2008年には、調査チームが、マネージャーは重要な存在ではないという一部の意見を証明しようと試みますが、すぐにまったくの正反対であることがわかりました。
Google re:Work

そこで、Googleにおける優れたマネージャーの条件を突き止めるため、「Project Oxygen」という調査プロジェクトを立ち上げた。業績評価と社員からのフィードバックを収集・分析した結果、有能なマネージャーがいるチームは、生産性や幸福度が高く、離職率が低いことが分かった。「Project Oxygen」によって、優れたマネージャーの要件が以下のように特定された。

きわめて有能なGoogleマネージャーの10の行動様式
・良いコーチである
・チームに任せ、 細かく管理しない
・チームの仕事面の成果だけでなく健康を含めた充足に配慮し包括的なチーム環境を作る
・効果的なコミュニケーションをする。―人の話をよく聞き、情報を共有する
・生産性が高く結果を重視する
・キャリア開発をサポートし、 パフォーマンスについて話し合う
・明確なビジョンや戦略を持ち、 チームと共有する
・チームにアドバイスできる専門知識がある
・部門の枠を越えてコラボレーションを行う
・決断力がある
Google re:Work

「従業員への13の質問」は、「10の行動様式」の評価基準として測定可能にしたものである。半年に一度、チームメンバーが匿名で回答しマネージャーを評価している。GoogleではGoogleフォームで作成されており、5段階評価形式となっている(最後の2問は自由回答形式)。

なお、現在の公式サイトにはチームビルディングのフレームワークが掲載されており、「13の質問」は掲載されていない。フレームワークでは、チームメンバーとの積極的な話し合いや、定期的にフィードバックを受け取ることが推奨されている。固定的な項目を提示するのではなく、チームの課題に合わせて質問事項を独自に作成する方が最適であると、見解が変化した可能性がある。

ただ、「13の質問」は、マネージャーを評価するための質問事項のテンプレートとして十分に機能する。そのまま流用すれば、簡単に現場に導入することができる。

3、質問事項の例

「13の質問」以外に、「10の行動様式」を元に質問の例を掲載する。

良いコーチである
・私が直面している課題に対して、具体的なアドバイスをくれる
・私の強みと弱みを正確に把握していると感じる
・ミスをした際、責めるのではなく「学び」に変える支援をしてくれる
・フィードバックのタイミングが迅速である

チームに任せ、 細かく管理しない
・仕事の「やり方」の細部まで口出しせず、私に任せてくれる
・進捗報告の頻度が適切であり、過剰ではない
・問題が発生した際、犯人探しではなく解決のために必要な権限を貸してくれる

健康を含めた充足に配慮し包括的なチーム環境を作る
・私の心身の健康状態(ストレスなど)に気を配っている
・ワークライフバランスを尊重し、過度な残業を強いない
・チーム内で誰もが発言しやすい雰囲気を作っている
・異なる意見や背景を持つメンバーを公平に扱っている
・私個人の生活の事情(家庭や介護など)に理解を示してくれる
・メンバー同士の対立が生じた際、中立的な立場で解決を支援する

効果的なコミュニケーションをする。―人の話をよく聞き、情報を共有する
・定期的な1on1ミーティングの時間を確保している
・私の話を最後まで遮らずに聞いてくれる
・必要な情報を出し惜しみせず、オープンに共有してくれる
・良いニュースだけでなく、悪いニュースも迅速に共有する
・指示や説明が論理的で分かりやすい
・チーム全体での会議の進行が効率的である
・マネージャー自身の考えや感情を率直に伝えてくれる

生産性が高く結果を重視する
・チームが達成すべき目標が明確に定義されている
・無駄な会議やプロセスを削減する努力をしている
・困難な状況でも、成果を出すための道筋を示してくれる
・高いパフォーマンスを出したメンバーを適切に評価している
・効率化のためのツールや手法を積極的に導入している
・チーム全体の進捗を常に把握し、遅れをフォローしている

キャリア開発をサポートし、 パフォーマンスについて話し合う
・私のキャリアプランに基づいたアドバイスをくれる
・スキルアップ・キャリアアップの具体的な機会を提供してくれる
・今の業務が将来のキャリアにどう役立つかを示してくれる
・私の適性に合った役割を与えてくれる
・定期的なパフォーマンスの振り返りが行われている

明確なビジョンや戦略を持ち、 チームと共有する
・期待する成果や目標を明確に示してくれる
・中長期的な戦略を、分かりやすい言葉で共有している
・変化の激しい状況でも、チームが進むべき方向を見失わない
・チームの目標を、メンバー全員が納得できる形で提示している
・将来のリスクを予見し、対策を講じていると感じる
・競合他社や市場の動きを踏まえた視点を持っている

チームにアドバイスできる専門知識がある
・私の業務内容(技術や知識)について、深い理解を持っている
・現場で起きている技術的な問題を正確に把握している
・必要であれば、自ら手を動かして手本を示すことができる
・新しい技術や業界トレンドをキャッチアップしている
・専門知識に基づいた現実的な納期や工数見積もりを行う
・専門的な議論において、質の高い意見をくれる
・私が技術的なミスをした際、その原因を論理的に指摘できる

部門の枠を越えてコラボレーションを行う
・他部署との交渉をスムーズに進めてくれる
・チームの利益だけでなく、会社全体の利益を考えて行動している
・他部署のリーダーと良好な関係を築いている
・他部署からの過度な要求を適切にフィルタリングしてくれる
・部門横断的なプロジェクトにおいて、リーダーシップを発揮している

決断力がある
・必要な情報を揃えた上で、迅速に意思決定を行う
・自分の下した決断に対して、責任を取る姿勢がある
・決定事項を明確にチームに伝達する
・一度決めたことでも状況が変われば柔軟に見直す勇気がある
・難しい判断から逃げない
・決断の根拠を論理的に説明してくれる
・メンバーの意見を聞いた上で、最後は自分の責任で判断する