難易度低めの初心者向けECサイトサービス「メルカリShops」

運営者情報
椿

IT系の会社員。調べものが好きです。アウトプットして脳トレしてます。

椿をフォローする

株式会社メルカリは、「メルカリShops」の提供を開始した。
ECサイトは需要が高まっているにも関わらず、普及が進んでいない。運用・集客のノウハウを持たない事業者が多く、開設をためらったり開設しても長続きしないことが原因だ。メルカリShopsは、「かんたんで、売れる」をコンセプトとし、ECサイトの開設・運用を支援してくれる。この記事では、メルカリShopsの導入メリットやメルカリとの違いについて解説する。

1、メルカリShopsとは

メルカリShops

メルカリShopsとは、メルカリの中でオンラインショップを開設することができるサービスだ。これまでのメルカリはオンライン上のフリーマーケットであり、あくまで個人間での物品の売買が前提だった。メルカリShopsでは、お店(事業者)として商品を出品することができる。

メルカリShopsの対象は、法人、個人事業主、個人であり、ハンドメイドのクリエイターや個人ブランドを持つ小規模事業者も対象に含まれる。既存のメルカリの機能に加え、在庫管理、発送管理、売上管理などの機能がある。操作方法や操作画面は既存のメルカリとほぼ同じ仕様のため、ITやECサイトの知識がなくても、容易に操作できる。

購入者は、個人・事業者が出品した物を問わず同じように購入できる。メルカリShopsで出品した商品は、「ショップタブ」の中に表示される。

「ショップ」タブは、メルカリアプリホーム画面内「おすすめ」タブの右に表示されます。

「ショップ」タブ内に開設手続きのバナーが表示されません|メルカリShopsガイド

2、導入メリット

集客の必要がない
ECサイトを開設すると、その旨を周知し、宣伝・集客をする必要がある。一方、メルカリShopsで出品した商品は、メルカリの利用者全員の目に触れる機会がある。メルカリの利用者は、メルカリShops開始直前(2021年9月)に月間2000万人を突破しており、独自に集客しなくても多くの人にお店の情報が届く環境が整っている。

操作が簡単
メルカリShopsは既存のメルカリの一部であるため、操作方法や画面はほぼ同じだ。既存のメルカリは簡単に操作ができるよう配慮されている。メルカリShopsも同様に、メルカリを利用したことがない、ECサイトに出店したことがない人でも簡単に運用できる。
株式会社メルカリのアンケートによると、メルカリShopsの先行出店を申込んだ事業者の57%がECサイト初出店であった。出店者からは「操作が簡単だった」といった感想が寄せられている。

初期費用・月額利用料が無料
メルカリShopsでは、開設にかかる初期費用と月額の固定費がかからない。商品価格(送料含む)の10%が手数料となり、実際の売上金額から差し引かれて計上される。また、振込には200円の手数料がかかる。実際の振込金額から手数料を差し引いた金額が入金される。

販売できる商品の幅が広い
許認可証があれば、自家製のお菓子や化粧品、冷蔵・冷凍が必要な生鮮食品、酒類などが販売できる。そのため、農家、漁師、地方の特産品を販売する事業者なども、メルカリShopsを活用することができる。

3、メルカリとの違い

メルカリShops用のアカウントが必要
メルカリShopsを開設すると、既存のメルカリアカウントの中にメルカリShops用のアカウントが作成される。お店としての操作は、メルカリShops用のアカウントにログインして行う。2つのアカウントが紐づいていることは、他の利用者には分からないようになっている。

商品の在庫管理ができる
出品時に、商品の種類(色やサイズなど)と在庫数を設定できる。既存のメルカリには在庫管理機能はなく、同じ商品が複数ある場合は、その数の分だけ出品したりセット売りにしたりする。

コメント機能がない
既存のメルカリでは注文前に購入者から出品者にメッセージを送る機能があるが、メルカリShopsにはない。メルカリShopsでは、注文を受けると取引メッセージがやり取りできるようになる。そのため、値下げ交渉や専用出品が起こらない。ハンドメイド・オーダーメイド品などは、仕上がりイメージが明瞭な商品を出品する必要がある。

運営者情報を開示する義務がある
メルカリShopsは通信販売事業者に該当するため、特定商取引法に基づき、氏名や住所を表示する義務がある。ただし一般公開はされず、購入者が開示請求すると購入者だけに開示される。住所はバーチャルオフィスでも可。

売上は発送した時点で反映
商品を発送し購入者に発送を通知すると、売上金が計上される。既存のメルカリでは、購入者が商品を受け取り、受取評価を行うと売上金が計上される。

売上金は自動振り込み
毎月末日までの売上金額が、翌月10日に自動的に振り込まれる。振込可能金額は5000円からだが、申請期限がないため失効しない。既存のメルカリでは、売上金の振込は任意のタイミングで行い、振込申請期限を過ぎると売上金を失ってしまう。

評価が必須でない
購入者からの評価は任意であり、メルカリShopsからの評価は行えない。既存のメルカリでは、両者の評価が必須になっている。

中古品の販売は古物商許可証が必要
仕入れた古着、古本、中古CD・DVD・レコード、中古自動車、骨董・古美術品などを販売する場合は、法令に基づき古物商許可証を取得する必要がある。既存のメルカリでは、個人が不用品を販売することが前提のため古物商許可に関する規則はないが、法令を遵守することが定められている。

退会できない
現在はメルカリShopsに退会機能はなく、閉店・休業はショップを非公開にして対応する。既存のメルカリには退会機能があるが、既存のメルカリから退会するとメルカリShopsにログインできなくなる。

4、出店の流れ

4、1、ショップを開く条件を確認する

メルカリShopsは、以下の全てを満たすと開設できる。
・20歳以上であること
・メルカリアカウントを持っていること
・メルカリアカウントに氏名と生年月日を登録していること

4、2、必要な情報を揃える

個人、個人事業主、法人で、必要な情報や書類が異なる。詳細はリンク先を確認。
ショップ開設に必要な情報や準備するべきものは何ですか|メルカリShopsガイド

4、3、ショップ開設を申込む

スマホからの場合
アプリを開き、「ショップ」タブを開くと申込み用のバナーが表示される。

パソコンからの場合
Web版のメルカリShopsにアクセスし、ログインボタンからメルカリアカウントでログインする。更に、右上のアカウントメニューから「ショップを開設する」を選択する。
Web版メルカリShops

4、4、出店開始

ショップ開設を申し込むと開設審査が行われる。審査通過の通知(メール)を受け取ったら、商品の販売が開始できる。

5、最後に

メルカリShopsは「かんたんで、売れる」をコンセプトにした、スマホひとつでネットショップが簡単に運営できるサービスだ。商品を出品・管理する操作も簡単で独自の集客も必要なく、ネットショップ開設のハードルが低い。

また、メルカリShopsは今後も機能の拡充を予定している。具体的には、クール便など郵送方法の拡充、CSVを使った商品登録・売上情報ダウンロードの簡略化、お店のWebページ作成サービスなどがある。更に、地域の活性化のために、自治体や地域の商工団体、農協などからの問合せ窓口を開設したり、高齢者のメルカリ利用も促進している。これらの取り組みから、メルカリShopsの使いやすさと集客力は今後も向上していくだろう。

SOURCE
メルカリ|Wikipedia
フリマアプリ「メルカリ」、月間利用者数が9月単月で2,000万人を突破|株式会社メルカリ
ソウゾウ、「メルカリShops」の本格提供を開始|株式会社メルカリ
メルカリShops
メルカリShopsガイド