ビジネスメールで使える、言いにくいことを伝える語彙集

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椿

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メールで言いにくいことを伝えるときは、口頭よりも気遣いが必要だ。文章では感情が伝わりにくいうえ、曖昧な言葉遣いをすることもできないからだ。更にビジネスメールでは、相手によってはこちらがへりくだらなければならず、その際には普段は使わない言い回しを使う。この記事では、ビジネスメールで言いにくいことを伝えるときに役に立つ言い回しを紹介する。

1、お詫び

失礼いたしました
相手を不快にさせたことを詫びる言葉。「申し訳ございません」は明らかに自分に非があり、相手に迷惑をかけたことを謝罪するときに使う。対して、「失礼しました」は相手に迷惑をかけたとは限らないが、野暮な対応をしてしまったときに使う。自分の過ちを認めて謝罪するのではなく、気配りが足りなかったり無礼な態度だったことを詫びる言葉だ。不快な思いをさせて心苦しく思っている、という相手への配慮の気持ちを伝えることができる。
例えば、間違った行為をしてはいないが謝りたいときや、お礼の意味を含んだ「すいません」と言いたいときに使う。過ちを認めてはいないため、理不尽なクレームや叱責を受けた際にもよく使われる。

ご心配をおかけしました、お騒がせいたしました
「失礼いたしました」が具体的になった言葉。こちらも、自分の過ちを認めてはいないが謝っている。

恐縮いたします、恐れ入ります
相手の行為に対して、感謝しているが申し訳ないとも思っているときに使う。相手が何かを引き受けてくれたときに使うと、「お手数おかけしてすいません。でも、ありがとうございます」という謙虚な気持ちを伝えることができる。相手に褒められたときに使うと、感謝しながら謙遜する意味になる。
また、まだ起こっていない未来の出来事について言及することができる。例えば取引先が打合せの日程を組んでくれたとき、「失礼しました」では時制に違和感があるだろう。「失礼しました」は過去に起こった出来事にしか言及できないのだ。

ご容赦ください
期待に応えられない、または相手に不便や不利益を与える可能性がある場合に、あらかじめ謝っておく言葉。謝罪と共に、期待に応えられないことを「お許しください」「ご了承ください」という意味がある。
例えば、慣れない仕事を任されたときに自分の能力不足をあらかじめ伝えておきたいときなどに使う。また、仕組み上通知が2重に送付される可能性があるときや、仕方のない理由で遅刻や欠席をするときなど、不手際が避けられないときにも使える。

お力になれず、ご期待に沿えず
相手の依頼を断るときに、謝罪と同時に心苦しい気持ちを伝える言葉。語尾に「申し訳ございません」をつけることが多い。「やってあげたいのはやまやまなんだけど」「頼ってくれて嬉しいのだけど」というニュアンスを含んでいる。

ご迷惑をおかけしております
現在進行形でトラブルが起こっているときに使う言葉。トラブルの原因が特定できず誰が悪いか分からない状態でも、相手に迷惑がかかっていることをとりあえず謝罪しておくことができる。

恥じ入るばかりです
「こんな失敗をしてしまって恥ずかしい」と表現するときに使う言葉。未熟でみっともない、情けないという気持ちを伝えることができる。

ご指摘を受けた点、深く肝に銘じます
「強く心に刻み付けて忘れないようにする」という意味の言葉。トラブルを反省し、2度と起きないように注意するという気持ちを伝えることができる。ポイントは、「お叱りを受けた点」など「怒られた」という表現にしないこと。相手は叱ったつもりがない場合は失礼にあたるため、「指摘・忠告を受けた」という表現にする。また、この言葉の後に「同じ失敗を繰り返さないよう~」と自分が今後どうするかを書くと、改善する意志が強い表現になる。

2、催促する

~していただけると幸いです
「~してもらえるとありがたい」のへりくだった言い方。「可能であればお願いしたい」という意味であり、やらなくてもよいという意味を含んでいる。必ず守ってほしいときは「お願い申し上げます」を使う。
また、期日を過ぎてしまった場合の催促でも使ってよいこともある。柔らかい印象を持った言葉のため、「期日は過ぎているけど早めに提出してね」という、まだ怒っていない・焦っていない雰囲気を伝えることができる。

~の約束になっていたかと存じます
「存じます」は「思います」のへりくだった言い方であり、「~の約束だったと思うのですが」という意味となる。相手が約束の期限を過ぎたことなどを婉曲的に指摘するために使う。続けて、「その後進捗はいかがでしょうか」と相手の状況を聞くと口調が強くなり過ぎない。約束の確認と進捗の心配をしているだけであり、直接的な言い方で催促しているわけではないからだ。
「存じます」を使わないと、「~の約束になっていましたが、まだ届いておりません」と少々高圧的な言い方になる。はっきりと催促していると伝えたいときはこちらを使う。

ご確認いただけましたでしょうか?
相手からの返信が必要なメールや書類を送り、応答がない場合に使う。相手がこちらからの連絡に気付いていないだけかもしれないため、まずは送付に気付いているかを確認する。

経理業務に影響・差支えが出ております
支払いや入金を催促するときに使う。金銭に関わる遅延が経理業務に迷惑をかけることは当たり前のため、はっきり伝えても失礼にはならない。期限の直前のときなど、今後影響が出る可能性がある場合は「影響が出てまいります」と言う。

困惑しております
相手の対応が遅いせいで業務に影響が出ており、「あなたのせいで困っています」とはっきり伝える言葉。怒っているというよりも、相手の身勝手な振る舞いに振り回されて頭を抱えているニュアンスがある。相手の対応が常識外れであり、強気に催促したいときにも使える。

ご事情がおありのこととは存じますが
相手の事情に配慮する言葉。相手の対応が遅れているのは惰性ではなく、事情があるからかもしれない。

ご賢察のほどお願い申し上げます
「こちらの事情もお察しください」という意味の言葉。「ご賢察いただけますと幸いです」では、上述の通り「できれば察してほしい」という意味になり、察してもらえなくてもかまわないという意味を含んだ言葉になる。

SOURCE
仕事ができる人が重大ミス発覚直後の”おわびメール”に書く5つの要素|PRESIDENT Online
感じがいい人は使っている「相手がすぐに返事をしたくなる」催促メールの最初の一文|PRESIDENT Online
悪口メールを誤って本人に送ってしまった…災いを転じて福となす「おわびメール」の文面|PRESIDENT Online
クレーム対応術6 詫びと謝罪の違いを自覚する|ぎょうせいオンライン